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良照と里鈴書き直し SURVIVOR 魂の殺害 第九話 不安

良照と里鈴書き直し SURVIVOR 魂の殺害
05 /26 2017
「良照さん、面接に受かるといいですね。いってらっしゃい」
「ありがとう、鈴音さん。行ってきます」
鈴音に送り出されて鉄の扉を閉めると、耳障りな鈍い金属音が鼓膜に突き刺さる。
頭に響くその音に、彼は思わず眉間に皺を寄せた。
これからどうなるのだろう……先のことを考えると、彼の悩みは尽きなかった。
好意で住まわせてもらえるのは有り難いが、次の賃貸を借りる為には敷金や礼金とまとまった金額が必要で、貯金できるまでの数ヶ月は此処に居着かせてもらわねば、また路頭に迷うことになる。
自分が来たせいで賃貸契約の違約金が発生してしまうかもしれない。
男と女が一つ屋根の下に住んでいることに対し、周りからよからぬ噂を立てられ、その結果彼女から疎んじられたりしないだろうか。
考えれば考えるほどに、痛みは酷くなっていくように感じた。
「ハァ、駄目だなぁ。面接に集中しないとな……」
脳みそのかき混ぜられるような感覚を覚えつつも、良照は自らを叱咤した。
首元を見遣って襟を正した後、白シャツをぽんぽんと軽く叩くと、彼は頼りない足取りで歩を進めていくのだった。
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yuu_garakuta

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