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学校の怪談  一人目 語り部(藤見穣) 

学校の怪談
08 /07 2017
B.藤見先輩 より分岐

「あのーっ、民族学研究部の藤見先輩はいらっしゃいますか?」
長机に置かれた古びた資料と堆(うずたか)く積まれた本の山、そしてそれらの書物をしっかりと見開かれた眼で食い入るように眺める男子部員や、文字を指でなぞって一行、また一行と丁寧に読み進める仕草が艶やかな女子部員の方々に、恐る恐る訊ねます。
部員は五名しかおらず、長机が二台、脚付きのホワイトボードがあるだけの閑散とした一室で、寂しげな印象を抱きました。
邪魔をしてしまったのが申し訳なく、視線を下に落として体を縮こまらせていると
「ミノルくん、この子は新入部員なの」
「いえ、違いますよ笹野さん。宮崎くんと新聞部の一年生に怪談を聞かせてあげる約束をしたんですよ。野村くん……だったかな?」
おかっぱ頭の表情の乏しい男子生徒は笹野という女生徒との会話を終えると、一旦ピンと背筋を伸ばしてから、体ごと顔を向けて僕へ話し掛けてきました。
「野村くん、ここでは迷惑になるので別室で構いませんか?」
「でも、部活中に……」
「すみません、今日は部活を早退します。部長、井口先生に伝えておいて下さい」
淡々と告げると、椅子の下に置いてあった皮のスクールバッグを取って帰り支度を始めました。
「うん。じゃあな、藤見」
「ミノルくん、また明日ね~」
先輩方に送り出され、僕たちは民族学研究部を後にしてから
「本当に急ですいません」
平身低頭して詫びました。
「気にしないで下さい。新聞に載ればうちの部ももう少し賑やかになるかもしれませんし」
「ハハ、そういってもらえると助かります」
「では、早速怪談話をしていきましょうか」
そういって小さく息を吸い、身振り手振りを交え話を聞かせてくれました。
「民族学といっても様々な分野がありましてね。中には妖怪や呪術なんてものまで研究されていたりするんですよ。うちの部は民間伝承や都市伝説の調査が主な活動なんですけどね」
「さて、野村くん。昔は至るところに未知の世界、言うなれば異界や得体の知れない妖怪が溢れていました。今ではそんなものはゲームやアニメの中にしかないにも関わらず。何故だと思いますか」

A.それだけ科学で説明できないことが多かったから
B.暗闇への恐怖……ですかね?
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yuu_garakuta

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