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掌編恋愛小説「恋から愛へ」 『幼馴染』 その1

掌編恋愛小説「恋から愛へ」
04 /29 2018
春。
冬の肌寒さは残っているものの、にわかに緑が色づき始めている。
外では小鳥が一羽さえずると、合いの手を入れるみたいにチュンチュン鳴いていた。
「絶好のオナニー日和だ……」
恍惚とした表情を浮かべ、悟はぼそりと呟く。
悟はちらちら辺りを見渡し、人の気配がないことを確認すると、獲物を狙う猫のように低く身構え、ベッドの下を覗き込んだ。
長らく掃除しておらず、ウサギの糞のような大きさの埃が転がっていた。
ベッドの下には読み終えた週刊誌の束や、教科書が収納されている。
そして、その束の下や教科書と教科書の間に、悟はエロ本を隠していた。
中には行為の邪魔になるから、そういった類のモノはいらないと言う人間もいる。
他人の創作物が作家の感性を刺激するように、官能的な妄想を膨らませるためには、やはり情欲をそそるモノが必要なのだ。
と、その時である。
ガンガンガンガンガン!
アパートのボロい外階段をかけ上がる鉄の鈍い音が響く。
悟は肝を冷やした。
父さんが体調を崩して、退社してきたのか?
母さんが、忘れ物でも取りにきたのか?
ナツミカンか、なお坊が遊びにきたのか?
考えうる限りの憶測が、脳内を駆け巡った。
しかし、今やるべきことは一つ。
とにかく元に戻すことだけだ。
焦る気持ちとは裏腹に、妙に冷静に対処していた。
が、ベッドのサイドボードに引っかかって、上手く入らない。
入れよっ、入れ!
妨害された怒りと、見つかってはいけないという羞恥心が彼を突き動かす。
が、そうこうしている間にも、その足音の主は悟の部屋に迫ってきていた。
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yuu_garakuta

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