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ファンタジー小説「迫害されし冒険者たち」 第三話

ファンタジー小説「迫害されし冒険者たち」
05 /18 2018
「アンタも災難だねぇ、喧嘩っ早いのに囲まれてさ」
笑った彼女が身体を小刻みに震わせると、風に揺れる小麦畑みたいに、ブロンドの髪がたゆたった。
引きつった表情で、彼女はローブの女を見遣ったが、ローブの女はそれを無視した。
「助けてありがとう。アンタの名前は」
「アタシの名前はベラ。ここの一人娘よ。ルクスに立ち寄ったら、うちをご贔屓にね~」
客商売特有の営業スマイルで、ベラが饒舌にまくし立てた。
「ベラ。洞窟まで道案内をしてくれるやつ、誰かいないか」
「ああ、大公様の試練に挑戦する冒険者の人か」
魔女シャーリーの邪神復活計画には、とある呪物が必要だ。
そして、それらの呪物を探し出すコンパスを、洞窟の最奥で手渡しするのである。
内部にはモンスターが跋扈しており、生半可な気持ちでが出入りできるような場所ではない。
要するにこの試練には、魔女を討つ資格があるか、冒険者をふるいに掛ける目的があるのだ。
「ああ、それならリチャードに頼んでみたら? カウンターの奥の席に、首からペンダントをぶら下げた男がいるでしょ」
「ありがとう。ベラ」
礼を言って少年とローブの女が、リチャードに歩み寄る。
リチャードは、所々穴の開いたボロの外套を羽織り、猫背で虚空を見つめながら、一人佇んていた。
酒場の陽気な雰囲気には似合わない、陰鬱な空気を漂わせている男だった。
様子を伺うと、牛が草を反芻するかの如く、その男は酒をちびちび飲んでいる。
胸には、ルクスの権威の象徴であるワタリガラスに、交差した2本の剣が×印のようになっているペンダント。
彼が、ルクス出身の魔術師である証左だった。
魔術師にとっての天敵は、魔術を習熟した者である為、かさばらない装飾品で対策を取るのは欠かせないのである。
「リチャードさん。俺はヘンリー・W・エヴァンスという冒険者なんだが……」
ヘンリーの言葉を、リチャードは遮る。
「……フン。モノを頼むには、順序ってもんがあるだろうが。ヘンリーよ」
「俺はシードルで。アンタはどれにする?」
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yuu_garakuta

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